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FABLAB kitakagayaに見学に行ってきました

FLAKWORKSの代表/ディレクターの高田です。

パーソナル・ファブリケーションという言葉を知っていますか?
ほぼあらゆるもの(almost anything)を自分でつくる(プリントする)という、
マサチューセッツ工科大学のMITメディアラボから生まれた思考です。
市販のマスプロダクトを選択するだけでなく、
3Dプリンタやコンピュータで制御された切削機やレーザー加工機を利用し、
自分の欲しいものは自分でつくろうという試みです。
また、そのノウハウやデータをWEBで公開・シェアすることで、
個人レベルでも高度なプロダクトの制作に取り組むことが出来るコミュニケーションも含んでいます。
そうした環境からなる、個人が自らの欲求や必要に応じ、自分たちでものを作り出せる社会を指して、
ものづくり革命 (Industrial (Re)volution:第2次産業革命)と彼らは呼んでいます。

しかし、上記のような機材群は大変高価で、僕たち一般の人が知識もなく触ることも難しいものです。
それを解決するのが、パーソナル・ファブリケーション提唱者の、
ニール・ガーシェンフェルドさんが設立したFABLAB(ファブラボ)という工房で、
2002年あたりからMITから広がり、現在では世界中の120以上の地域に開設されている、
パーソナル・ファブリケーションを実現することを目標としたコミュニティです。
地域に対して様々なかたちで問題解決を提供していたり、
そのあたりTEDでプレゼンテーションもされていますので、
日本語字幕もありますから興味がある人は一度ご覧ください。
パーソナル・ファブリケーションはものづくりの革命だけではなく、
テクノロジーがボトムアップ型で進化していく未来についても語っています。
難しい内容ですがワクワクする感じ。
TED:Neil Gershenfeld: Unleash your creativity in a Fab Lab

さてさて、前置きはこれぐらいにして大阪に開設されたFABLAB kitakagayaに見学に行ってきました。
お仕事でお世話になっているtightrope松本さんが運営に関わっておられる(知っている人がいて安心)ということと、
僕もパーソナル・ファブリケーションという思想に非常に興味があるので、
壮大なMITや世界レベルでのお話ではなく、身近なところで一度肌で感じておきたいなーと思った訳です。
場所は大阪北加賀屋、さまざまな分野にとらわれない人々や組織が集まる、
「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」と掲げるコーポ北加賀屋にあります。


左:レーザー加工機でアクリル板をカットしているところ。データはイラレで作成可能。
中:カットしたアクリル板。簡単なアクセサリーならすぐ作れますね
右:デジタルデータを刺繍できるミシン


左:ミシンで刺繍したサンプル
中:3Dプリンタ。ちょうど会員の方が利用されていました。
右:3Dプリンタで出力したサンプル。形状で得意不得意があるらしい。


左:小型のCNCミリングマシン(切削機)は、削るだけでなく型抜きも可能。
中:大型のCNCミリングマシンと電動丸ノコ。
右:ラボの風景。まさにラボ!

代表の白石さんにお時間を頂いてダラダラとお話を伺ったり、
一緒に行った弊社クルーなどと雑談して僕が感じたことなどまとめると、
現時点では、パーソナル・ファブリケーションの思考はまず横に置いておいて、
「FABる」という動詞を選択することを、さまざまな階層で実現していくことがイメージできました。

例えば、ラボにある刺繍ミシンでそのへんで買ってきたシャツに刺繍を入れてみるとか、
すでに持っている名刺入れにレーザーで模様や言葉を入れてオリジナルのものにするとか、
そういった自分の手が届くものづくりに於いて、納得がいくクオリティをテクノロジーが担保してくれることが、
今の僕にとっての「FABる」ということなのだと思います。
そして、製品をつくる企業が大量には売れないであろう(=つくれない)デザインや仕様のものを、
「FABる」ことによって小数の消費者に届けることも可能なはずだと感じました。
マスプロダクションへのアンチとしてのパーソナル・ファブリケーションではなく、
オルタナティブとして「FABる」ことを企業側が選択する。
これはパーソナル・ファブリケーションの思考とは違う方向性かもしれませんが、
それはとても近い将来に実現可能な「第1.5次産業革命」と呼べるのではないでしょうか。

機械を触って出力する作業は、ほぼあらゆるものを自分でつくることのスタート地点です。
現時点で3Dプリンタをつかって立体物を製品レベルまで持っていくのは、
データの作成からプリント後の調整からさまざまな作業と知識・経験が必要だと感じましたし、
最終的には業者にお金を払って出力を頼んだりする必要もあるでしょう。
その工程を楽しみながら、参加する人々で知識や経験を共有し、
教えあい、失敗と成功をシェアして進めて行くためにFABLABが存在すると今回感じました。
それは、来るべきパーソナル・ファブリケーションの未来(第2次産業革命)の為に。

FABLABはそうした寺子屋的オープンソースマインドで運営され、そのネットワークは日本においても広がっているし、
もっとドライにファブリケーションサービスを求める層にもMAKER’Sのような事業がリーチする。
革命はもう始まっているということでしょうか。とてもとてもワクワクします。
そしてそれと同時に、その時プロフェッショナルはどこに位置するのか、と考えされられました。


白石さんと松本さん。
「写真はニガテ」とおっしゃっていたおふたりのツーショットでキメ!
ありがとうございました!楽しかったです。また行きます!

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