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Monthly Archives: March 2015

  • プロジェクションマッピングのつくりかた(3)〜あるいは教育とデジタル制作についての〜

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    プロジェクションマッピングを取り巻く状況は、とても早いスピードで変化し続けています。
    目新しい演出であったものがあっというまに陳腐化していくなど、更新と進歩が常に求められて当然という状況のなかでは、クリエイターに求められるスキルやアイデアもどんどんと先天的なものを取り入れていく必要性に迫られます。

    一方で、プロジェクションマッピングを始めとした「コンピューターやスマートホンの画面だけに収まらない映像や演出」という可能性に様々なものがリンクし始めてきているのも感じます。近頃少しずつ言葉が知られつつある「物のインターネット=Internet of Things (IoT)」とも共通した分野であると考えています。

    プロジェクションマッピングは、「スクリーンでない場所を投影場所にする」という手法ですが、IoTとは「パソコン・スマートホン以外の物をインターネットの端末にする」という手法の一つとして注目されています。

    これら2つが組み合わさると、「スクリーンでないどのような場所も、インターネットにつながったものになり、パソコンスマートホンだけでなく、さまざまなものを使ってコミュニケーションすることができる」という、なんだかファンタジックなことが出来そうな組み合わせになります。

    想像の世界を現実のものにするには、クリエイターやプランナーによるひらめきと、それを形にするための技術や、多くの人に楽しんでもらう快適な環境を準備するための制作の役割が必要になります。

    まだ誰も見たことのない世界を切り開いていこうという時に、足元で大事にされなければならないことがあります。それは歴史上どの時代どの局面に置いても共通ですが、「教育する」「学ぶ」ということが重要になる局面でもあります。

    プロジェクションマッピングのイベントを制作・運営する一方で、この学びの場を作っていこうという考えからプロジェクションマッピング・ワークショップを行っています。またそれにともなった、デジタル演出手法についても、大学・専門学校・一般にむけて、不定期にワークショップを行っているのも、こういったことに興味のある人々との交流の機会を増やしていきたいという想いにほかなりません。

    学ぶ機会があれば手近にあるものを使って、また、既に知られたものもあまり知られていないものも、教える側教わる側の区別なく、さまざまな意見やアイデアを出し合って学ぶことができます。

    これからの新しいデジタルメディアを支え、制作し、運営していく人材が増えていくことが、ファンタジックなことを実現するための基礎となっていくのではないでしょうか。

     

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  • プロジェクションマッピングのつくりかた(2)

    私はもともとプロジェクションマッピングを専門にしていたのではありませんし、現場に出て何かするということが多かったわけではありません。たまたま最近インタラクティブシステムを映像作家やアーティストと共同で作るプロジェクトに関わっていくうちに、いわば「季節商売」とでもいうような感じでお手伝いをさせてもらっています。

    そんな立場からいろいろとプロジェクションマッピングの運営について気づいたことなどを書いておきます。

    プロジェクションマッピング会場は屋外であることが多いです。

    それはつまり、運営のための機材や配線を置くブースが野外に設置されるということになるため、イベントの時期によっては気候に大きく左右されます。とても暑い時期もあれば寒い時もあります。

    pm1

    もちろん見に来てもらうお客さんも寒いわけですから、お仕事でやっている以上寒い寒いと泣き言ばかりをいっているわけにはいかないのですが、プロジェクションマッピングを実施するためには機器の操作をするオペレーションが必要なので、身体がこわばりついてしまってミスをしないように気をつけないといけません。

    プロジェクションマッピングのオペレーションをする場合は、是非とも使い捨てカイロなどを持っていくとよいです。また足元が冷えますので防寒対策をしておくことは重要です。指切りグローブなどがあると細かい手先の作業もできるので便利です。

    プログラマーがプロジェクションマッピングのインタラクティブコンテンツにかかわるというケースがどれぐらいあるのかわかりませんが、普段の作業環境とはかなり異なります。普段はモニターやスマホなどの画面を相手にしてデスクでPC作業をしているわけですが、プロジェクションマッピングブースにおいて、ノートパソコンはすでに異質な存在です。

    プロジェクターはPCにつなげる映像出力装置だという考えはいったん捨てておいたほうがいいでしょう。
    映像出力システムにつなぎ割り込む存在なのだという心持ちで望んだほうが、さまざまな出来事に対処しやすくなります。

    これは、映像機器が専門的な機械であることに比べて、PCは汎用的な機器であるため、他の機器とつないだ時に免疫が弱いのはPCのほうだったりすことが多いからです。思ったサイズの画面が出なくて、うまく合わせられないというような事が起こりますし、普段みたいに「あー、あのスマホ端末はダメだねー、バージョン古いしー」とかいう切り捨ても通用しないのです、あるものでなんとかするしかありません。

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    とても寒い中、なんとかかんとか修正したりしてとにかく幕をあける、そういった現場的感覚が身につきます。ライブ感覚とでもいうでしょうか。このライブ感覚というのは、今後のデジタルコンテンツのキーワードになってくると思っています。

    スマホはもちろん、インターネットによって情報は共有しやすくなりました。そうなってくると余計に「その場で同時にみる」ということの面白さは相対的に上がってくるのではないでしょうか。

    ウェブサイトやアプリというのは、可能な限り多くの端末で動作したり閲覧できたりすることが第一に考えられます。民主的といいますか、いちばんの落とし所をさぐりながらいろいろと工夫するわけです。

    一方でイベント会場というのは公演が何度あるかにもよりますが、基本的にその場の一発勝負です。技術的にキワドイことは怖くてできないことも多いですが、とにかくその演出が成功すればいい、という点でわりと尖ったことが出来る環境でもあります。こういったことが新しい発見にもつながっていくことがあります。

    「その技術に、そんな使い方があるのかー」と他の人に言わせれば、してやったりというところではないでしょうか。

    ライブイベントにもコンピュータが割り込んでさまざまな演出を助けるシーンは増えてきています。開発者を含めてデジタルコンテンツ制作に携わる人は、このようなライブ感覚をどう創りだしていくのかをもっともっと活用していくとよいと思います。そのためののいろいろなノウハウは現場に転がっているものから拾い集めていくことで、他のものづくりにも活かしていけるものだと感じています。

    pm3

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  • プロジェクションマッピングのつくりかた(1)

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    これまでに実施してきたプロジェクションマッピングについて、主に制作の面からのお話をします。
    ブームともいえ、いまやイベントに欠かせないものになりつつあるプロジェクションマッピング。
    プロジェクションマッピングの仕事では実際にはどのようなことをしているのでしょう。

    建物や立体物などに映像を当てて、目の錯覚や演出技法をこらして見たこともないような映像演出を実現するのがプロジェクションマッピングですが、以外に見落とされているのが「どうやって企画するのか」「どうやって運営するのか」といった情報ではないでしょうか。

    プロジェクションマッピングの作業パートについて、映像や音楽などを作るのを「コンテンツ」と、それ以外の機材や照射を担当するのを「システム」という風にここでは分類したいと思います。そしてどちらの作業をするにも大切な下準備があります。それが「現地調査」です。コンテンツが完成したあとにあ「運営」という作業パートもあります。今回はその現地調査についてお話してみます。

    デジタルの仕事のなかでもWeb製作やアプリプログラムの仕事と比べて、最も特徴的なのがこの現地調査だと思います。映像の撮影だと「ロケーション」ということになりますが、撮影では「何処で収録するか」を見極めるわけですが、マッピングの現地調査は「どこに写すか」を下調べします。

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    プロジェクションマッピングは屋外で行われることも多く、実際にコンテンツを制作することは(殆どの場合)屋内でやることが多いでしょう。いや、私は現地でインスピレーションを受けながらやるんだ、という向きもおられるかもしれませんが、それはお仕事というよりもアート作品という作り方に近いのではないかと思います。

    機器を動かすための電源の位置はどこにあるか、観覧場所はどこになるか、そういった一見コンテンツとは関係ないようなことを調べておくことでよりよいイベント運営ができることにつながります。またプロジェクターの試しうちもしたりします。これは明るさや色の見え方、照射範囲などを知る上で重要です。

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    お客さんがどの位置から見るかも重要です。お客さんからみて機材が邪魔になるといけません。
    こういった地味な下調べからプロジェクションマッピング製作は始まっていきます。また、運営のことを考えると広さや安全面といったことも重要になってきます。

    現地調査の目的は、このコンテンツ制作をする段階で直接現地にいなくても、現地での様子や環境をつぶさに想像できるだけの情報を集めておく、ということになります。

    最近ではプロジェクションマッピング対応のアプリや、関連書籍なども出てきています。テクニックや演出技法などについてもいろいろと述べられていると思います。このブログでは「プロジェクションマッピングの制作とは」にフォーカスを当てて、企画するには、運営するには、そして多くの観客の人々に見てもらうには、どういった心配りがあるとよいのか、またクリエイターが躍動できる環境にするにはどうすればいいのか、という観点から述べてみたいと思います。

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